1.DAC

良質なデジタル信号をトランスポートが出力してくれても,
DACが綺麗なアナログ信号にしてくれなければ意味がありません。
DACもそれなりに良い物を選びましょう。
また日進月歩なデジタル機器,そして伝統の技が光るアナログ機器,
そのどちらにも位置する微妙な機器ですのであまり古い製品は選ばず,
かつ適当な製品も選ばないようにしましょう。

というわけで僕が選択したのは

1.機器紹介

north star design社のMODEL192DACです。定価220,500円です。

S/N比117bBを誇る高精度DACで、最大の特徴は同社お得意のアップサンプリング機能です。
CD音源はご存じの通り44.1kHz/16bitで記録されていますが,
このDACアップサンプリング機能をオンにすると192kHz/24bitで出力されます。
もちろん44.1kHz/16bitで出力する事も可能ですので両方聴き比べ良い方を使用する予定です。

DAC内部はこちら。
DACの基盤ってアンプなんかと違って整然としている場合が多いですよね。
幾何学的と言いますか,眺めていても非常に楽しい物です。

左が電源部。
トロイダルトランスなんですね。スイッチング電源を使用してそうですがこの辺はアナログですね。
アナログ回路とデジタル回路を独立したトランスを使用する辺りに拘りが伺えます。
ただトランスを固定しているネジが鉄製ですのでステンレス製に交換してあげましょう。

右が基盤部。
高分子アルミ電解コンやOS-CONの使用など頼もしいパーツ選択です。
ただケースがフロントパネル以外が鉄製というのが非常に嫌ですね。
非磁性体のアルミや銅でシールドをしてあげる予定です。


2.改造
さてこのDAC,S/N比117dBなんてスペックからも分かるとおり,かなり音が澄んでいます。
しかし左右への広がりがかなり狭いんですね。綺麗な音像が中央に集中してしまって
イマイチ広がり感がありません。

蓋を開けてみればあらまぁ驚愕。機器紹介の画像にもありましたがトランスを磁性体である鉄で固定してあったり・・・。
各RCA端子の信号線とGND線が思いっきり離れていたり・・・。

この辺をちょこっとイジってみました。
こちらがそのトランス。デジタル回路用とアナログ回路用に分かれているそうです。
ご覧の通り鉄蓋を鉄ネジで絞めています。これを取り払ってあげましょう♪
ちなみにケース自体が鉄で出来ていますので,このような銅板で鉄ケースからトランスを離してあげました。
そしてこうなりました。制震ゴムで接着してあります。
なかなか見栄えもよくなりました♪
そしてコレがRCA端子の裏側です。何だこの無駄に長い配線は!?
信号線とGND線がむちゃくちゃ離れています。このハンダを溶かして短くしてあげました。
こちらが改造後。捻ろうかと思いましたがやめました。
デジタル入力端子もアナログ出力端子も全部こうしてあげました。WBTの銀ハンダを使っています。
そして緊張の音だし!(改造途中途中で確認の為のエージング信号は流しています。)

ぉぉぉぉ!?コレはかなり違うぞ!一段とノイズ感が減ってる!
左右への広がりはそこまで変わってない。コレがこのDACの個性なのかも・・。

しかしこんな改造で簡単に音が晴れるとは・・。

電解コンの交換などもしてみようか考えましたが元の音が変わり改造ではなく改悪になってしまう
可能性もあるのでやめました。



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