音質向上テクニック:上級編
初級編だけでは満足出来ない場合,より高度な技が必要となってきます。
費用も手間も掛かるがその分効果抜群!
といった物を紹介していきます。
主に電源の安定化が目的ですが
ノイズ削減が基本の初級編を応用していく。
といった物も紹介していく予定です。

そして当たり前ですが改造は自己責任です。


1.電源ライン(12V,5V)へオーディオ用フィルムコンデンサと積層セラミックコンデンサを追加
パソコン用電源というものは質よりも値段を重視されがちです。それ故に一般用に量販されている電源もいくら高性能を謳っていても実際には通常の物よりはマシ。程度の物がほとんどです。また産業用は通常電源の質,というよりも電源に表示されたスペック通りの出力が完璧に出来るかに比重が置かれている物が大半で,更には格安電源の中身なんて酷い物で,
いわゆる"動けば良い"状態です。
というわけで僕がHTPCに使用中の電源,Seasonic製SS-350SFEも例外無く,確かに高品質を謳っている分,蓋を開ければ通常電源との差は歴然としていますがまだまだHTPC用としては弱いです。
そこでパソコンがメインで使う12Vと5Vの安定化を図る為,4pinの給電コネクタの先端に世界トップレベルのコンデンサメーカーであるaudience社製のハイグレードフィルムコンデンサ,auricapの400V 0.47μF(マイクロファラッド)と日本ケミコン製積層セラミックコンデンサ 50V 10μFを投入しました。

写真左上の上の黄色いコンデンサがオーディオ用高級フィルムコンデンサ auricapです。秋葉原麻布オーディオさんで一個1350円もしました・・。
 4つ買って5000円に負けてくれた店員さんに感謝!
そしてその脇下の青色の物が積層セラミックコンデンサです。秋葉原ガード下の三栄電波さんで一個350円です。これまた頭おかしいんじゃないの?ってくらい高いですね。何せ12個も購入しましたからね。併せて約10000円ですね。他にも電解コンたくさん買ってますからコンデンサだけで2万円近い出費でした・・・。

これを普通に並列に半田付けするだけです。ちなみにauricapはフィルムコンデンサなのに接続する向きが指定されています。論理上フィルムコンデンサに極性は有り得ませんがまぁどちら向きで半田付けしても手間は一緒ですのでちゃんと向きをあわせてあげましょう。そして半田付け後は余計なノイズが乗らないようにコネクタとコンデンサが傷まない程度にケーブルをツイストしてあげます。
もう一つ注意点としては積層セラミックコンデンサを半田付けする際は余計なノイズが乗らないようリード線が長くならないようにすること。かといって短く切りすぎるとコネクタに入らなくなってしまうのでこれまた注意。

そしてコネクタを元に戻せばこのようになります。
エージングに時間が掛かりますがコレはかなりの効果です。
ハッキリ言ってこの程度でこの音質が得られるなら安いものです。

ちなみに以前僕はJANTZENのフィルムコンを使用していましたが同容量でこちらは同店で一個260円なので4個買っても千円弱で済みます。コレでもかなりの音質効果が出ますのでまず最初に始めるならJANTZENでも充分じゃないでしょうか?また勿論通常の電解コンでもOKです。OS-CONや日ケミのKZE辺りなら問題は無いでしょう。電解コンなら下手にオーディオ用を選択する必要は無いと思います。ただ勿論電解コンは"ちゃんとした"向きがあるので半田付けする際気を付けてください。逆付けはコンデンサが破損したり最悪パーツ,もしくは電源を壊します。

それと積層セラミックコンデンサは10μFなんて大きな物は秋葉原でもなかなかなかなか売っていませんし売っていてもかなり高価です。耐圧25Vの5μF程度でも充分効果は実感出来ます。それにAGP・PCIラインあたりに投入するなら0.1μF程度でも実感することが出来ます。0.1μFなら一個数十円ですから数で攻めることが可能ですね。

コンデンサは個人個人の好みがとても良く反映さえる箇所です。
何度か色々な箇所に試されてみて自分にあったコンデンサを見つけてみてはいかがでしょうか?


2.サウンドカードのアナログ出力を改善・他全体のノイズ削減 
HTPCの定番サウンドカードとして有名なRME DIGI96/8 PSTですが,
初期ロットはアナログ入出力の回路にチップコンデンサのみ採用で非常に劣悪な音質となっていました。
それが今でも「RMEはデジタル出力だけだ」と言われている所以です。
しかしRMEもさすがに二期ロットからは電解コンをアナログ入出力の回路に採用し,
アナログでの音質もかなり改善されたのでした。


僕のも初期ロットではない物でしたのでこのように電解コンが4本ささっています。しかしコンデンサに詳しい方なら解ると思いますが採用されている電解コンは台湾製のJamicon。お世辞にも良いコンデンサとは言えません。せっかくですからこの部分をオーディオグレードの良いコンデンサと交換してあげましょう。ついでに使用しない不要なジャンパー線やリード線も取り外してノイズ削減を目指します。



秋葉原三栄電波さんで50V22μFのnichicon製Fine Goldを4つ買ってきました。別にオーディオグレードのコンデンサならどれでも良かったのでおばちゃんのお勧めを買っただけです・・。

そしてコンデンサがオーディオグレードなら当然


ハンダもWBT製の銀入りハンダにしてあげましょう。42gで1980円と特に高価でもありません。42gも使い切るには何本ケーブルを自作すれば良いんだ・・・?
そしてこの二カ所の使用予定のないコネクタと裏側の出っ張ったリード線を切ってしまいました。
微々たる差ですがノイズ量は減ったはずです。

耳で差が聴き取れる程かはわかりませんが・・。

そしてJamiconをFine Goldに交換してあげました。
見た目にも金色のコンデンサは音がよさそうですね♪
そして改造後のサウンドカードはこうなりました。
アナログ出力で聴いた感じはちょっと中域が厚くなりすぎたような・・・。

高域と低域は確かに綺麗になったので,中域はエージング後のお楽しみでしょうかね。とりあえず成功です!

3.電源のファンの逆起電流をコンデンサで吸収させる
パソコン用のファンは12Vの直流でモーターを回しています。
すなわちマザーボードのファン用電源から電流を取ると,ファンのモーターが回転する際に発生してしまう
逆起電流がマザーボード上に還ってきてしまうのです。
僕のHTPCにはケースファンがありません。しかし電源には吸気ファンが付いています。
コレも勿論電源基盤上にノイズをかえしてしまうので電解コンを取り付けてノイズを減らしてあげましょう。
作業はかなり細かいですので注意して行ってみて下さい。
ピントがズレてしまいましたがこのように6cmファンが付いているんですね。赤が電力線で黒がグランド線ですので,
なるべくこれらの根本にショートしないように電解コンを半田付けします。
僕が実際に取り付けたのは35V耐圧22μFです。
このようになりました。よく無極性(バイポーラ)MUSEを皆さん取り付けていますが
僕は何となくFineGoldにしました。深い意味はありません。
たまたま三栄電波さんで無極性MUSEの22μFが売り切れだっただけです。汗
せっかく電源を分解してまでファンを取り外したんで,このようなシリコンシートも取り付けてみます。
なんでもかなり静音化出来るとか・・・。
にしてもマイケルに買ってきてもらったんですが6cmファン用っていうのはなかなかレアらしく,
高速電脳にまで行ってやっと発見したそうです。
こんな感じになりました。いやぁハンダ付けが細かくてかなり大変でした。
コレは結構効いた気がします。
このくらいの容量ですと一個数十円ですのでハンダ付けに自信のある方は
是非試してみて下さい。特にマザーボードから直接電気を取ってファンを回してる方,
絶対効果あります。
2007,6,25追記
いやぁどうも電解コンでは-側への負荷が通常の回路よりも大きいらしく,
危険との事ですのでちゃんと無極性MUSEに交換しました!

 コレが用意した無極性MUSE 35V耐圧の100μFです。

例の如く22μFが売り切れでしたのでどうせなら100μFまでいっちゃおう!ということでちょっと大きすぎたかなぁ。


 というわけでこのようになりました!セラコンも付けようかと思ったんですが手持ちに10μFと0.1μFしかないのとMUSEがでかすぎてかなり難しそうなのでやめました。
そしてケースに入れたらこんな感じに出っ張っています。笑
まぁいいんじゃないですかね。電解コンの時よりも若干音がうるさくなった感じなんですが
まぁ音質的にはGOODかなぁ。



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